[ 飯田リニア通信:2017/03/03 ]

平成28年(行ウ)第211号 工事実施計画認可取消請求事件
原 告  川 村 晃 生 ほか 737名
被 告  国(処分行政庁 国土交通大臣)
参加人  東海旅客鉄道株式会社

2017年2月24日

東京地方裁判所民事第3部B②係 御中

原告訴訟代理人 弁護士 横山 聡 外

進行に関する意見

1 第3回期日における主張と意見陳述

 本日の第3回期日においては、原告らは3通の書面の提出しました。

 第1に原告適格の整理に関する書面ですが、原告目録A(リニア中央新幹線の路線との関係で物権被害を受ける可能性の高い原告)についての物権の詳細、特に立木トラストについての状況を明らかにしましたが、提訴時以降新たに立木トラストを取得した者等も判明したため、現時点での最新版をお出ししました。

 また、原告目録B(各原告の住所からして、工事や運行供用による生活被害を受ける危険性の高い原告)についての路線との関係をできるだけ明らかにします。但し、本体の工事における発生土の処分地(仮置き場含む)が参加人から明らかにされていないため、正確なものとはなりません。参加人は早急にこの点を明確にすべきす。なお、異議申立に疑問のある原告については現在整理を進めており、整理でき次第処理を考えておりますが、次回以降になる予定です。

 第2に、原告適格における全原告に共通な主張として「安全な運行の確保できる新幹線に乗る権利の侵害」と「南アルプスにおける自然を享受し、子孫にこれを伝える権利の侵害」について、総論的に主張します。

 第3に、「岐阜県において生じる被害」について、自然環境の間題と岐阜に特有の「放射性物質含有発生土間題」についての主張です。これらについては、意見陳述のとおりで、参加人が極めて不適切な対応をしています。

2 証拠の割り振り

 今回、原告適格との関連の証拠を「甲A号証」とし、原告番号を枝番にしてわかり易く作ったつもりです。

 また、原告らが大きな争点の一つと考える「全幹法と鉄道事業法等」に関連する証拠は「甲B号証」としたいと思います。

 次に、もう一つの大きな争点である環境影響評価法の関連ですが、「甲C号証」以下で整理したいと思います。これについては、現在の訴状では、被害項目(水関係、騒音、振動、発生土問題など)で分類しているので、被害項目ごとに証拠を区分することを考えています。

 なお、地域が多様に区分されておりますので、整理する方向性として、東京は品川と町田で状況が異なるので、例えば「甲C1-TS-●号証」「甲C1-TM-●号証」などとするのが整理に資するかと考えています。

 これに応じて神奈川は、川崎と相模原に分かれるのでKK、KS。

 山梨はY、静岡はS、長野はN、岐阜はG、愛知はAを使用します。

 このように記号を振ったほうがわかり易く整理できると考えていますが、今後の裁判の進行する中でさらにわかり易くする用工夫したいと思います。

3 今後の期日について

 今後も各地の被害について順次準備書面化する予定です。4月の期日では山梨の実験線における被害状況、6月の期日では長野の被害を予定しています。

 また、今回全幹法関連の総論主張を一定整理したところなので、これに基づいて被告がなぜ全幹法で認可してしまったのかについても詳細に明らかにされるよう訴訟指揮いただくよう求めるところです。

 加えて、第4回期日以降は、原告らが2大争点と考える「全幹法による手続及び運行の安全確保の問題性の各論」及び「環境影響評価の内容及び手続の問題性の各論」について詳細に論じてゆく予定です。

4 被告・参加人への追加書証提出の要望

 被告は、本件認可処分の参加人提出の申請書類一式や、リニア中央新幹線の審議を行った国土交通省の交通政策審議会議事録の全てを提出するよう求めます。国土交通省においていかなる内容で、どのような審議が行われたかを明らかにするために必要な証拠と考えます。

 また、参加人は、環境影響評価に関する補正後評価書のみを全地域分提出していますが、方法書、準備書、補正前の評価書についても、部分的にしか提出していませんが、すべて証拠として提出するよう求めます。方法書、準備書、補正前の評価書と手続きに応じて内容が進展したはずですから、各段階でどの程度環境影響評価が「進展」していったかを説明するのに不可欠な証拠であると考えますので、これらの証拠の提出を行うよう要望します。

以上