飯田リニア通信 更新:2025/03/14

「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」が長野県に抗議 ~ 飯田市へ要望書

 JR東海がリニアの長野県駅の一部、土曽川橋りょうの基礎工事に要対策土を使用する計画の保全計画について、1月27日に、長野県は「環境の観点から」の「助言」をJR東海に送付しました。

 助言そのものは、人の住む場所に要対策土を使うべきでないという長野県環境影響評価技術委員会の意見をほとんど反映したものでした。つまり、常識のある事業者であれば、今回のこの工事については要対策土ではなく、最初の計画どおりに現場で掘り出した土砂を基礎部の中詰めに使用するはずです。

 ところが長野県は、助言の送付の発表のときに、「プレスリリース資料」という文書を同時に公表。その中には、「橋脚基礎部は、構造的に十二分な対策がとられていることを県においてもチェックしています。」と書いていました。技術委員会は環境の観点からいえば、構造は十二分に完全なものとはいえないので、万が一使用するならこれこれの対策をすべきといっていますから、「橋脚基礎部は、構造的に十二分な対策がとられていることを県においてもチェックしています。」は技術委員会はそんなことはいっていない。実は、この部分は長野県建設部のリニア整備推進局の意見だったのです。

 そして、新聞の報道では以下のようなものでした。

技術委や住民が示した、要対策土を外部から市街地に持ち込むことへの懸念に関し①「本来は現地発生土の使用が好ましい」とした一方、橋脚基礎部に関して②「設計図などから構造的に十二分な対策が取られていることを確認した」ともした。…(『信毎』1月28日)
要対策土について①「本来は当初計画通り、現地発生土の使用が好ましいと考えられる」としながらも、橋脚基礎部に関して②「構造的に十二分な対策が取られていることをチェックしている」とした。…(『南信州』1月29日)

 これが、「助言」の内容だと受け取った人も多いと思います。

①は「助言」にあるけれど、②は「助言」にないし、そうは読み取れない。県の環境影響評価条例では「助言」は技術委員会の審議と一般からの環境の観点からのパブリックコメントを参考にして出すことになっているので、建設部リニア整備推進局が「プレスリリース資料」の中で、建設部の見解を広めようとするのは制度上問題があるのではないかと思います。建設部の見解の原文を見ると、JR東海が技術委員会で説明した内容とおなじであって、環境の観点から行われた、いいかえると県民の生活環境の安全の観点から行われた、技術委員会の議論を無視するものであり、環境影響評価制度の考え方に反するものです。

 というように、基礎の構造は十二分に安全だという部分が、本来そんな指摘はなかったのに前面に出てくる書き方になっています。今後、住民に対する説明会などでJR東海が長野県のお墨付けをもらったと説明をする可能性があります。

 そこで、2月14日に、「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」は長野県知事と環境部長あてに抗議文を出しました。

 「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」は、2月10日、飯田市に対して、JR東海に対して、助言の内容を真摯に受け止めよではなく、具体的に現場の発生土を使うよう、具体的に明確に要請すべきであるという内容の要望をしました。

EoF