飯田リニア通信 更新:2024/07/28
要対策土使用反対の署名の結果とJR東海と飯田市への要請
「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」の署名活動についてはご協力ありがとうございました。署名用紙1522筆、ネット署名4914筆、全体で6436筆が集まりました。7月10日に署名とともに、JR東海と飯田市にケーソン基礎の中詰め材として要対策土を用いないことを要請しました。JR東海は7月29日に、飯田市は8月はじめに回答するとの連絡がありました。
土曽川橋りょうのケーソン基礎工事について
そもそもケーソン基礎の工事では、現場からケーソン基礎の体積と同量の残土が発生します。
2022年9月の上郷の丹保地区や北条地区対象の説明会では、ケーソン工事で残土が発生するという事実や、その残土をケーソンの中詰めに使うということは、まったく説明をしませんでした。
2022年10月に公表した環境保全計画では、現場で発生した残土を中詰めに使うとJR東海は説明。県の環境影響評価技術委員会も、この前提で審議。11月には、一番東の橋脚が計画されている座光寺の共和地区でも同じ説明をしました。
今年の2月28日の上郷の北条地区や丹保地区対象の説明会では、とうぜんながら、前回の2022年9月には、現場で発生した残土を中詰めに使うと説明したけれど、要対策土を用いることに変更しましたという説明はしていません。
要対策土は遠方から運ぶので、運搬車の排出する二酸化炭素が増加します。また現場で発生した残土の運搬でも二酸化炭素が発生します。ヒ素などを含む要対策土のいわば処分場所なのですから、現場で発生した残土をそのまま使う場合とは、周囲への影響について考えなければならない事柄も違って来るはず。保全計画の修正がどうしても必要になるはずです。
つまり、工事内容について、住民にも長野県に対しても、正しい情報を与えず、きちんとした説明をしてこなかった。
要対策土への変更について、県環境政策課はJR東海は修正版を出すことになっているとしています。しかし、9月から搬入する計画なのに、まだJR東海は修正版を出していない状況(7月17日時点で)です。
この数年、大鹿で要対策土の活用について施工の実験をしていますが、土曽川の場合は、何の処理もせずに中詰めするので、初めから要対策土を用いる方針だったと思わざるをえません。
これでは、国交大臣の要請した丁寧な説明とはいえず、到底理解できるものではありません。
以上