飯田リニア通信 更新:2022/03/31
訴訟ニュース第26号
ストップ・リニア!訴訟ニュースの第26号が発行されました。
今回は、3月10日に行われた第22回口頭弁論の報告です。
白根心平代理人の意見陳述に関連して補足すると:
(1)普通の回転式モーターは、鉄心を使用しているため磁束が外部にほとんど漏れませんが、磁力が強力な超電導磁石では鉄心を使用できないため、巻きつける芯を使っていません。そのため、磁束がそのまま外部に漏れてしまいます。また、固定側と動く側の隙間(エアギャップ)が大きいので効率が悪くなります。
(2)鉄道では鉄の車輪が、車体を支える、方向を定める、推進させるという3つの役割をしています。超電導リニアでこの3つの役割をするは超電導磁石です。しかし、この超電導磁石の信頼性は鉄の車輪に比べ低いので、列車に使うべきでないという専門家もいます。
(3)ガイドウェイは、コンクリート製で長さ約12.6m、高さ約1.3m、最大幅60cm程度のパネルにコイルを取り付けたものを高架橋やトンネル内に並べた構造になっています。このパネルは断面が逆T字型で、据え付け作業の効率を考えて自立するようになっています。つまり高架橋などと一体構造ではなく、ボルトで固定するような構造です。このパネルの耐震性について、地震により加わる加速度がどれぐらいまで耐えるのかというデータは示されていません。単に10㎝浮いて走るので地震でも安全ですと説明しているだけです。
(4)超電導リニアは10㎝浮上して走行すると言われていますが、地震の揺れは水平方向にも揺れます。車体とガイドウェイとの隙間が実質的には4㎝程度しかないことは公表されていません。
(5)火災と軌道に取り付けられた、推進用、浮上案内用のコイルも巻きつける芯が使えないので、電線を樹脂で固めてあります。難燃性の樹脂とはいっても燃える可能性があり、トンネル内にこれほど多量の樹脂が使われた例はこれまでにないはずです。
以上。