『信毎』が「リニア認可、審査請求へ 県内など沿線住民」(5月8日)掲載

更新:2018/05/09


 5月8日の『信濃毎日新聞』が「リニア認可、審査請求へ 県内など沿線住民」という見出しの記事を掲載しました。

 記事として掲載してくれたのはありがたいと思うのですが、なにかよそよそしい感じがします。住民にとってね。なぜか。

 リニアはダメと思っている読者が、審査請求するにはどうしたらよいか具体的な説明がありません。「沿線の住民団体でつくる『リニア新幹線沿線住民ネットワーク』が、審査請求の申立人を取りまとめている。」という部分は具体的には:

 「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」を構成する地域ごとのグループが「審査請求」行動への参加を全ての住民に広く呼びかけています。長野県では、私たち「飯田リニアを考える会」が取りまとめをしています。

 ごく一部の変な人たちだけを対象にしているんじゃありません。リニアってイヤだなと思うすべての人に参加して欲しいと思っているのです。

 審査請求書の書き方は簡単です。また費用もいりません。誰でもできます。書き方や私たちの会への手渡し方を、

に、まとめています。

見切り発車の無理な計画

 リニアに期待しているとしても、たとえば、谷に捨てたトンネル残土が被害をだしたら意味ないですね。JR東海や飯田市が移転対象者に提示している補償では生活再建はできません。その点で移転対象者は明らかに犠牲者です。移転対象でない沿線住民も騒音、日照などで被害を受けます。だから、実験線で被害の状況が良く分かっている山梨県では測量さえ済んでいない地区もあります。4月には、路線にかからなくても、路線用地から30mの範囲の住民が移転したい場合も路線用地の場合と同じ移転補償をするよう求める調停が250人の住民から甲府簡易裁判所に出されました。

 絶対安全な残土の処分地の確保、立ち退き住民の移転先や生活再建のできる十分な補償、沿線で今後被害を受け続ける住民への十分な配慮など、これまで見切り発車できたことを、きちんと解決するまで、工事を中止する必要はあるはずです。

 リニアには良い面も悪い面もあるので、良い面を最大限いかせるようになんとかしようという声が聞かれます。しかし、じつは、裏にはやっぱり、リニアが来るのは千載一遇のチャンスという気持ち、リニアへの期待が、あるんじゃないでしょうか。

 道路が良く成れば地域が良くなると言われたものですが、村部の衰退に道路の改良が果たした役割は大きかったはず。リニアと三遠南信道路は、「あなた任せの代表」だと思います。

無理があるから、工事は遅れ始めている

 工事はどんどん進んでいると思っている方もいることでしょう。実際は、もうずいぶんと、予定から遅れ始めています。JR東海の金子社長も焦っています。2027年にできなければ、JR東海は持たないでしょう。中途半端な状態でJR東海が計画を断念すると、建設途中の高架橋、立ち退いたが駅は出来ない、仮置き場の残土など、多変なことになるのは確実。

 というわけで、リニアに反対するのは、後ろめたいことじゃないと思います。それに、審査請求に加わったとして、行政からなにか不利益を得る可能性はないはずです。

 特に、移転対象の方、沿線で直接被害を受ける方、飯田・下伊那の方で、リニアはダメと思う方は是非とも審査請求に参加して下さい。お願いします。