更新履歴:2018/03/26 | 2018/03/24 | 2018/03/27 | 2018/03/29 | 2018/03/29

第9回口頭弁論の速報

更新:2018/03/29

 ジャーナリストの樫田秀樹さんが裁判官と被告とのやり取りを詳しく紹介しています。


更新:2018/03/29

 弁論を傍聴した大鹿の方の記事が FaceBook にもう一つあったので転載します。

Midori Tohno
3月24日 22:56
東京は春爛漫の桜日和でした。23日、ストップ・リニア訴訟第9回口頭弁論を傍聴してきました。1年余りに渡り、今回で沿線各地からの論告、一通り終わり、以降の公判に向けた展望も示されました。被告席には被告の国側の代理人と参加人と言われるJRの代理人がいるのですが、原告が出してきた環境影響評価等に対する反論が提出されていないようです。裁判長もあきれた感じで、問い詰める格好だったように思うけど、法廷内も、被告の対応に、えっ?という感じでした。
参加されてた弁護士さんの言葉を借りると、「次回以降、3期日で、参加人から環境影響評価各論に対する反論がなされることになりました。また、できるだけこの期日の間に被告も環境影響評価に関する反論をなすように裁判所から求められました。今日の期日では被告が参加人に環境影響評価の主張を丸投げしようとしましたが、裁判所は被告の方で反論をするものと受け止めてきたのだが反論しないのか、と問い詰めました。これに対し、被告は参加人の主張を見て必要なら反論すると答え、裁判所は、なるべく3期日の中で主張するように求めました。」ということなのですが。
多分に、法律に則って、国交省の認可が行われたのであるし、環境影響評価も問題ないという姿勢そのままで、時間稼ぎしてるとしか思えないような、被告人、参加人の状況だと思います。次回、5月、9月、11月と続いていきます。
*****
報告会後、衆議院会館を出たら、議事堂周辺、この時局に対する抗議行動で集まった人たちで埋め尽くされていました。機動隊の動員も半端じゃない。その場にもっと居たいと思ったけれど、日帰りスケジュール、後ろ髪引かれつつ・・でした。

更新:2018/03/27

 弁論を傍聴した大鹿の方の記事が FaceBook にあったので無断転載します。「議事録も一部いまだ公開されていない。」という部分、審議した鉄道小委員会の前段に技術問題を評価する委員会があったのですが、こちらは議事録が全く公開されていません。JR東海の超電導リニア方式が磁気浮上方式鉄道の技術として、特にすでに営業路線を敷設していたドイツのトランスラピッドと比較して技術的に優位性があるのかという点が議論されたのか全く不明です。

Nobi Taniguchi
3月24日 11:52
ストップリニア訴訟の報告
昨日、第9回口頭弁論が東京地裁第103大法廷でおこなわれました。ちょうど昨日はリニア談合問題で工事を請け負った大成、鹿島建設の担当者が起訴された日でした。今回も傍聴抽選者150人近く集まり、法廷は満席
公判の内容は、町田、川崎、相模原の沿線住民による意見陳述。原告からこれまで8回の公判の中で随時情報を出せと要求し、裁判長からも出しなさいということを言われていたにもかかわらず、被告の国交省および参加人のJR東海は情報をだす準備をまったくしていないことが、露呈されました。
この中で裁判長と被告および参加人のやりとりがおもしろかったです。
裁判長 いままでお願いしていた資料はそろそろだせますか?
被告  いやまだ出せません。
裁判長 え!!出すように言ってたじゃないですか!!  じゃあ2,3回の公判で出せますか?
被告  いや4,5回は…
裁判長 そんなの1年以上かかるじゃないですか!! 国は認可したんですよね!!!!!?(なにを)?
傍聴席  (笑)&(怒)
てなかんじ
これは国交省が全国新幹線法という非常に大雑把な法律で認可させられたということ。JRはほぼまともな調査もせず多くの人々の生活と希少な自然を破壊し、日本の財政に多大な重圧をかける危険のあるこの計画を!!!
まったく無責任に進められているということが、司法でもはっきりしてきた。
リニアは国交省の国土交通委員会で認可されたのですが、ほぼこの委員会を傍聴された橋山禮治郎教授は「この委員会でリニア形式でという議論はされてなく早さが200キロ以上の高速走行ができるというだけで 認可した」と言っていました。
議事録も一部いまだ公開されていない。
安部首相が国会で散々リニアリニアと後押ししてきたことから、この問題も彼が権力を使って違法に認可させたという可能性が高まっています。
裁判後の恒例のシンポジュームが首相官邸横の衆議院会館でおこなわれました。終わって外に出ると、官邸前で「安部首相がんばれ」と国旗をかかげてるデモ隊を包囲するように大多数の安部退陣のデモの人々が集まっていました
この空気を吸った瞬間に僕の中から心の声が湧きあがってきました。

更新:2018/03/26

 原告団事務局本部より速報が届きました。 印刷用PDFはこちら


リニア工事で井戸水が枯れれば、農業が成り立たない(町田)

850人が立退き・土地売却、市民財産の高校移転(相模原)

3月23日、ストップ・リニア!訴訟第9回口頭弁論と報告集会 (速報)

 3月23日(金)午後2時30分から東京地裁で、ストップ・リニア!訴訟の第9回口頭弁論が開かれ、森和幸さん(東京都町田市在住)、桜井真理さん、浅賀きみ江さん(共に神奈川県相模原市在住)の原告三人が意見陳述しました。


 地裁前では午後1時15分から集会が開かれ、当日リニア工事を巡る不正受注(談合)で独占禁止法違反で東京地検の捜査を受けていた大林組・清水建設・大成建設・鹿島のスーパーゼネコン4社と、既に逮捕されていた大成建設と鹿島の幹部2人が起訴されるという報道が紹介されました。

 午後2時からの傍聴券抽選には146人の希望者が列を作り、初回から9回連続で抽選が行われ、傍聴席はこの日も満席となりました。

 意見陳述で原告の3人はスライドを使いながら、地域の生活や市民の権利を奪うリニア工事の中止を訴えました。

シイタケ栽培は井戸水が命~森和幸さん

 森さんは町田市上小山田町で野菜とシイタケ栽培を中心に農業をしています。自宅から50m奥の丘の下を大深度トンネルでリニアが通ることを知り、野菜の洗浄や、シイタケを浸けるための井戸水がトンネル工事によって枯れる可能性が高いと訴えました。

 それというのも、近隣の土木工事で何度か地下水が枯れたことがあり、井戸を掘り直したという経験を述べ、リニアのトンネル工事はその時とは比べ物にならない大規模なものであり、深さも井戸と近く水涸れを起す可能性は高いと指摘しました。森さんは、長い経験からシイタケ栽培には子育てと同じように丁寧な世話が必要であり、とくに水道水では良く育たない、四季を通じて摂氏17度に保たれ、またミネラル成分が豊富な井戸水に浸すことで刺激を与え、それがシイタケの順調な成長につながると述べ、水道水が井戸水の代替にはならないと強調しました。もし井戸水が枯れたら再び井戸を掘るには多額の費用が掛かるし、掘ったとしても地下水脈にあたるという保証が無いので、それでは農家としての生活は成り立たなくなると訴えました。

850人の地権者が困惑~桜井真理さん

 桜井さんは、橋本付近の新駅建設と浅深度トンネル工事で地権者850人が区分地上権設定により立ち退きや一部売却を迫られていることを明らかにし、JR東海が工事計画や補償について具体的かつ詳細な説明を行っていないことに住民が困惑したり怒っていると述べました。

 相模原連絡会が実施したアンケート調査で地権者66人から回答があり、「ニュースにも自治会報が回覧されず何も分からない」、「工事中に福岡のような地盤陥没のおそれはないのか」、「建物への影響を記録する費用と修復が必要な時の費用を全額(JR東海に)負担してもらいたい」な切実な声が寄せられたことを紹介しました。しかし、JR東海が実施した区分地上権者への説明会でJR東海は、「地価の下落」については『予測がつかない』、また「騒音や地盤沈下などの不安」については『問題はありません』などと答えるばかりで、住民の要望や不安、疑問を置き去りにしていると桜井さんは述べました。

 また、リニアのトンネルルート近くには井戸水を利用している豆腐製造会社や酒蔵、蕎麦屋さん、牧場などがあり、工事による地下水枯渇で生業が続けられないという不安の声があることを紹介しました。

 そして、リニアの地上部(あかり区間)となる小倉高架橋の騒音被害について、周辺の民家は橋と同じか高い場所にあるにもかかわらず、JR東海は山梨実験線の橋梁の騒音測定値を元に算出しているが、人家も少なくそして低い位置にある実験線の測定データを当てはめているのは正確な環境影響評価にならないと述べ、JR東海は正確な検証結果示す説明責任を果たしていないとし、工事は許されないと訴えました。

(以下、写真は事務局赤荻雅巳)

記者会見する左から浅賀さん、桜井さん、森さん

相原高校は地域にとってかけがえのない存在
~浅賀きみ江さん

 浅賀さんは、1984年に都内から相模原市橋本に転居し4人の子どもを育て上げたと前置きし、「ベビーカーを押して子どもの手をつないで、市民に開放された相原高校の庭に通い、動物とのふれあいや豊かな自然環境の中で遊ばせていただいたことに今も深く感謝している」と述べました。

 そして浅賀さんは、相原高校が1923年(大正12年)に神奈川県立農蚕学校として設立されたこと、当時の相原村の篤志家20数人が土地と資金を寄付し、農蚕後継者を養成するという高い志を持って設立されたという歴史を紹介しました。高校の敷地面積は10ヘクタールと広大で、地域の広域避難所になっており、東日本大震災では多くの帰宅困難者が避難したと続けました。日常的に子どもたちが牛や馬とふれあい、市民の吟行会も行なわれ、生徒たちが絞った牛乳や、育てた野菜や卵の販売も行われ、市民が間近で親しめる憩の場であることを強調し、教育より目先の便利さや利益を優先しないでと述べ、高校の移転は理不尽であり、裁判官に公正な審理を求めました。

リニア訴訟第4回シンポジウム
沿線住民の意見陳述の意義と今後の展望

 3月23日の第9回口頭弁論のあと、午後4時半から衆議院第二議員会館で、第4回シンポジウム『沿線住民の意見陳述の意義と今後の展望』が開催され100人が参加しました。

 東京・名古屋間の沿線原告による意見陳述が一巡したことで、弁護団の関島保雄共同代表、横山聡事務局長、和泉貴士事務局次長による訴訟の中間総括として企画したもので、進行は川村晃生原告団長が担当しました。

 冒頭で関島さんは、リニアが「全国新幹線網の形成」とならず、全幹法の対象である新幹線にあたらず、認可手続きは鉄道事業法に基づいて厳格な手続きを行うべきであり、全幹法はその手続きを経ていないので違法であると述べ、これが第一の争点だと説明しました。また安全性と採算性の欠如についても大きな争点であり、さらにリニア関連施設(軌道、車両基地、変電所、駅、非常口など)の位置や設計図などが具体的でないのに環境アセスを短期間で行ったのは環境影響評価法違反であるなど、これまでの原告の主張について詳しく報告しました。

 今後3回の口頭弁論は被告の国と参加人のJR東海が原告側の主張に対する反論を行うことになりましたが、これまでの被告側の準備書面では手続き論に終始しており、リニア計画の内容について詳細な反論をするかが注目されます。

 横山さんは、「大深度地下トンネルについてまだ関心が薄いが、一旦掘ってしまったら取り返しがつかない、そのことを訴えて行きたい。損害賠償裁判ではないので、是非サポーターを増やすよう努力してほしい」と述べました。また、和泉さんは「認可の元になった中央新幹線小委員会の20回の審議を再検証する必要がある」と述べ、「あいまいなものでも認可されてしまうことは許されない」として、審議経過を詳細に分析し今後の訴訟に活かす考えを明らかにしました。

今後のリニア訴訟日程(東京地裁)

6月25日(月)14:30~地裁前集会
13:15~
9月14日(金) 〃
11月30日(金) 〃

更新:2018/03/24

 参加者によれば、今後の予定は、6月25日、9月14日、11月30日。この3回で、JR東海が環境影響評価の各論点について反論がされるとのことです。被告の国交省はJR東海(参加人)に反論を丸投げしようとしました。被告が反論するものと受け止めてきた裁判所は被告は反論しないのかと問い詰めたそうです。裁判所は、一方原告側には原告適格について整理するよう求めましたが、原告は残土運搬ルートが定まらないので無理と主張。裁判所は抽象的な被害のおそれを前提として原告適格の根拠を示して欲しいと述べたそうです。