更新:2017/10/23
新刊紹介
リニア新幹線関連で次の2つが出版されました。1つは、リニア・市民ネット編著の『プロブレムQ&A 総点検・リニア新幹線─問題点を徹底究明』。もう一つは、ジャーナリストの樫田秀樹さんの書かれた、岩波ブックレット『リニア新幹線が不可能な7つの理由』。どちらも、話題別にコンパクトにまとめてあります。ぜひ一読を。お友達やお知り合いリニア問題について知ってもらう材料としても利用できると思います。
『プロブレムQ&A 総点検・リニア新幹線─問題点を徹底究明』
リニア・市民ネット[編著]
A5変形判並製/168頁/1400円+税
緑風出版
ISBN978-4-8461-1713-9 C0336
2017年9月25日発行
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JR東海の社長自身が「リニアは絶対ペイしない」と断言していたリニア中央新幹線計画が着工しました。膨れあがる建設費、中央構造線のトンネル貫通など工事の危険性、膨大な残土処理と自然破壊・景観破壊、リニア特有の電磁波による健康影響、膨大な電力消費など、問題が山積しています。しかも時間短縮効果や地域振興もあやしく、JR東海の社長が断言したように採算性は極めて厳しいといえます。
本書は、こうしたリニア中央新幹線の問題点を総点検し、建設がいかに不必要かつ無謀かを、Q&Aでやさしく解説します。(2017.09)
■内容構成
Ⅰ どんな計画ですか?
Q1 リニア中央新幹線はどのような計画ですか?
Q2 超電導技術とは何でしょうか?
Q3 「夢のリニア」の「夢」とは何でしょうか?
Q4 地域振興とはどのようなものがありますか?
Q5 なぜトンネルが多いのですか?
Q6 環境アセスはどのように行なわれましたか?
Q7 沿線都県の自治体はどのように対応していますか?
Ⅱ どんな問題があるでしょうか?
Q8 エネルギーはどれくらいかかるのでしょうか?
Q9 磁界(電磁波)の強度はどのくらいでしょうか?
Q10 磁界のリスクとその基準はどうなっていますか?
Q11 電磁波対策はどうなっていますか?
Q12 地震のときトンネルはどうなるでしょうか?
Q13 活断層や大鹿村を掘り抜けて大丈夫ですか?
Q14 トンネル内で事故のとき避難はどうするのですか?
Q15 フェイルセイフシステムとは何でしょうか?
Q16 ドイツや中国のリニアはどうなっていますか?
Q17 建設費に問題はないのでしょうか?
Q18 リニアの採算はとれるのでしょうか?
Q19 財政投融資を行なうそうですが、どういうことでしょうか?
Q20 東海道新幹線は今後どうなるのでしょうか?
Q21 トンネルを掘ることによる水涸れは大丈夫でしょうか?
Q22 地下からはヒ素など有毒物質が出るとのことですが?
Q23 大深度地下使用に問題はないのでしょうか?
Q24 トンネル掘削による残土は処理できるのでしょうか?
Q25 山梨実験線の建設によってどんな被害が出ていますか?
Q26 明かり区間にはどんな問題があるのでしょうか?
Q27 沿線での生物環境へ影響はどのようなものがありますか?
Q28 岐阜のルート上の旧ウラン鉱山は安全なのですか?
Q29 リニアは景観にどのような影響があるでしょうか?
Q30 説明会やパブコメはどのように行なわれましたか?
Q31 沿線の住民はどのように受け止めているのでしょうか?
Q32 裁判が進行していますが争点は何ですか?
Q33 リニアによる時間短縮や速さは人間や社会に何をもたらすのでしょうか?
Q34 リニアの便利さをどれだけの人が享受できるでしょうか?
Q35 速くするためのエネルギーは人間を幸福にするのでしょうか?
Q36 リニアのメリットとデメリットの比較
岩波ブックレット
『リニア新幹線が不可能な7つの理由』
樫田秀樹著
A5・並製 ・64頁/本体520円+税
岩波書店
ISBN 9784002709758
2017年10月5日発行
内容
夢のような宣伝文句とともに,事業費10兆円を超すリニア中央新幹線の建設工事が始まった.しかし,未熟なリニア技術の安全性や南アルプスをぶちぬくトンネル工事,その残土の行き場や住民の反対,そして見通せない採算性など,行く手には多くの困難が立ちふさがる.現場に足を運びつづけるジャーナリストが徹底検証する.
はじめに
リニア計画とは?
難問1 膨大な残土
難問2 水涸れ
難問3 住民立ち退き
難問4 乗客の安全確保
難問5 ウラン鉱床
難問6 ずさんなアセスと,住民の反対運動
難問7 難工事と採算性
おわりに――住民・市民の声に耳を傾けられるか