提訴1周年記念シンポジウム (2)
更新:2017/06/29
斉藤貴男氏基調講演『暴走するリニア新幹線』
以下は、斉藤さんの基調講演を聞いた要旨とメモです。
要旨:
日本の富める支配層は少子高齢化社会を迎え内需の代替として海外へのインフラ輸出を考えている。代表的なものが原発と新幹線やリニア。インフラ輸出と資源権益の確保と法人の安全確保がセットになっている。原発の再稼働、そしてリニアの建設を急ぐのは日本を海外輸出のショールーム化させるため。葛西氏の野望はいわば「帝国主義の野望」でもある。99%が1%に奉仕する社会では、「犬として生きるのか」という個々人の生き方が問われる。
メモ
・なぜやらなければならないか、葛西氏の野望が一個人の野望にとどまらず、国を挙げてやっているのはなぜかについて話す。
・各地でリニアの工事が強行されている
・1月の山梨日日新聞のインタビューで柘植社長は今年は工事を軌道に乗せる年にしたいと述べる。ますます強引な工事が予想される。
・問題点をあげればきりがない。
・国家財政や住民の安全にかかわることを敢えて行うのはなぜか?
・この訴訟の意義は大きい。そこでしか問題点が明らかにならないから。
・新聞や雑誌はリニアについて取材しない。社説でこの訴訟を取り上げたところはほとんどない。地方紙くらい。報道がダメなことは共通認識と思うが。
・報道がダメになった理由はお金の問題。新聞社もテレビもネットメディアの普及で経営が悪化している。部数の激減、視聴率の低下は広告収入が激減。経営体をコンパクトにするという欧米式の対策は取らず組織を守ろうとする。不動産事業の強化。ネット媒体に関わる事業のM&A、合併とか買収。事業の多角化。
・本業ではスポンサーへのすり寄り。その中にはJRもはいる。元公共企業体はありがたいスポンサー。NTT、電力会社、JR。本来は公告を出す必要がない企業。メディアを黙らせるには有利。公告代理店にとっても値切りがないので有利。
・政見へのすり寄り。新聞社と安倍政権の関係。頻繁な会食。
・消費税の軽減税率。食料品や新聞。
・葛西氏の野望は帝国主義への野望。彼が保守的、日本会議的な人間であることは周知と思う。安倍や葛西達の個性というだけでなく、日本の富める支配層、エリート層の共通の問題意識がある。最大のものが少子高齢化。社会保障のことではなく、内需が減ることに危機感。企業規模を小さくするのでなく外需に頼ろうとする。企業が成長するために。インフラ輸出。コンサルティングも含め。官民一体、オールジャパンで。民主党時代はパッケージ型インフラ海外展開といった。安倍政権ではプラス資源権益の確保と邦人の安全確保。
・欧米資本の大企業と結びついた開発独裁政権対住民の紛争が絶えない。テロの起きている地域。産業戦士を国として守る。原発輸出。
・原発とリニアの関係。リニアは電力を多量に使う。基礎的に大きな電源が必要。
・大阪前倒し。財政投融資。オリンピックまでに甲府開通。
・リニアの輸出につなげたい。外国の要人を載せる。
・アメリカへのリニア売り込み。テキサス新幹線。ワシントン、ボルチモア間にできれば世界中への売り込みが可能に。原発の再稼働にも似た事情がある。
・日本は原発とリニアのショールーム。命知らずのセールスマン。
・原子力を中心にした国造りは福島以後も変わっていない。2007年経産省の原子力立国を打ち出したもの。
・2020年は曲がり角。五輪の年。
・帝国主義。99%が1%に奉仕する社会。
・生き方の問題。
・犬として生きるか。