ストップ・リニア訴訟!ニュース・飯田版 2017年3月14日号
2月24日にストップ・リニア訴訟の第3回の口頭弁論が東京地裁で行われました。傍聴された大鹿村の谷口昇さんの報告です。
どれだけここで生きるということを大事に思えるようになるか
昨日、ストップリニアの第3回口頭弁論が、東京地裁103号大法廷で、2時半から開かれました。
今回の傍聴抽選券は150枚発行され、98人が傍聴定員で、約50名ほどがまた溢れるという裁判官に好印象な人数に達することができました。
まず裁判長が被告国交省に対して、交通審議会におけるリニア計画を全国新幹線法に適用していく過程で違法性があるなら、その後の手続きも違法で全幹法の適用は取り消しということになるので、議事録を公開し違法性がないとうことをまとめなさいという指示をだしました。これは被告側には厳しい指示が出されたという印象です。
今回意見陳述は岐阜県土岐市の市会議員をされてる和田悦子さんが現地の被害状況、これ、からの問題点を法廷で延べられました。岐阜県の予定地は、ほんとに多くの問題が孕んでいるということを法廷で訴えられました。
特にウラン鉱床群に地下トンネルを掘っていくということに対してJR東海の恐ろしいほどの杜撰な調査があきらかにされました。独自ボーリング調査などをせず文献と聞き取り調査のみでウラン鉱床は避けれるという主張を貫いている。ウラン鉱床に堀りあたるとそこから有毒のラドンガスが吹き上がりこのガスは、肺がんを引き起こす危険があります。などを訴えられました。
今後被害のある全県の口頭陳述が認められ、4月までの法廷の日程が決めらました。
原告側には、具体的にどの法律の何条にどのように違反しているかを示し ていくようにという指示もありました。
報告会では各地域の問題や被害を法廷で陳述する意味を質間させていただきました。
横山弁護士の説明ではこのリニアの問題が裁判官もわからない部分が多いということで、理解を深めてもらうという意味があります。裁判所というのは、このような陳述はほとんど認めないそうです。でもこの地裁の裁判長はかなり原告の要望を聞いて、かつ具体的な部分も勧めるという方針をもたれているようです。この行政訴訟自体の本質的な難しさというのがあり、でも裁判所も異例な待遇を原告に与えているという点て市民住民運動の盛り上がりこ応じて裁判自体もさらに好転し、よい結果に結びつく可能性が大きい。
やはりこの問題を裁判やジャーナリストに任せるのではなく、ここに生きるひとりひとりが、どれだけここで生きるということを大事に思えるようになるかということが問われていることを改めて感じました。
(2月25日記)
本山更生会の残土置場 (『南信リニア通信』より要約引用)
3月2日、豊丘村の本山更生会(ほんやまこうせいかい=伴野区、福島区、壬生沢区で構成の森林管理組織)の総会はリニアの伊那山地トンネルから出る残土の受け入れを決定しました。受け入れ量は130万立米。場所は虻川支流のサースケ洞の最上部の約8ヘクタール。
サースケ洞と虻川の合流点から少し上流に日向山ダムという砂防堰堤があります。このダムより上流にはいくつもの支流があります。日向山ダムはこれらの支流からの砂を貯めるわけです。
日向山ダムと残土置き場の大きさを比べてみると残土置き場の方がはるかに大きいのです。つまりこの残土置き場の土砂の量は日向山ダムが長い年月をかけて貯める砂の量よりはるかに多いのです。
日向山ダムの計画貯砂量は約10万立米、一方トンネル残土は約130万立米と一桁も違います
残土盛土は自然に逆らう行為です。やはり崩れた場合に備えなくてはなりません。130万立米の土砂を受け止める新たな砂防堰堤が必要です。JR東海がそこまで面倒をみるでしょうか。
県や国の治山治水の担当機関は河川の上流部の谷に大量の残土盛土が行われることを想定して治山治水を行って来たでしょうか?
日本の国土でトンネルが必要不可欠の直線の路線計画はもともと無理なのです。